風俗の社窓から

風俗経営者にしやまのコラム・日記・雑記。お店のこと、今の業界のこと、風俗の未来のこと、色々考えてみてます。

若手スタッフ育成における“勘違い野郎”問題について。という話。

いつもいつも頭を悩ませているのは、良い方をいかに採用してスタッフとして育てるかです。特に悩むのは“若い人”(20代)の育成。
せっかく20代で風俗業界に飛び込んでくれたのなら、普通の同世代のサラリーマンよりも大きく金銭的な対価が得られたり、人間的にも成長できないと、働く意味がありません。
転職が容易な年代でもありますしね。中途半端ならちゃんとサラリーマンとして別な業種に転職したほうが良いとすら思います。

そんな若手スタッフの育成で絶対ぶち当たる問題があります。

“勘違い野郎期”問題。

少しデキる人なら誰しもがスタッフとして“勘違い野郎期”を通ります。
それはアウストラロピテクス北京原人を経て、現代のヒトになっていくように、未経験の状態から勘違い野郎期を経て店長となっていくのです(例えがイマイチ)。
で、特に人生経験が浅い若手には問題が起こりやすい時期です。

“勘違い野郎期”とは、少し一般業務がデキるようになってから、キャストさんから相談を受けるようになったり、店番を一人で任される機会が増えたりして“この店はオレがいないと回らないんだ。オレが回してるんだ!”と実力以上に自分を過大評価してしまい、勘違いする状態です。
お店の経営に責任感が出るのはとても良いことですし、勘違い野郎期が悪いわけでは決してありません。むしろ成長のためには必要です。
ですが、この勘違い野郎期が長引いてしまうと、思春期をこじらせて犯罪にはしってしまう大人のように、イタい人になってしまってその後の成長が見込めなくなります。

この時期が悪い方向に作用すると、他のスタッフの愚痴を聞かされた時に必要以上にスタッフ同士で不信感を抱いたり、上手くいっていないことを他の人のせいにして自分は関係ない・頑張っているという思考に陥ったりします。
で、他店に転職したり、他の仕事に移ったりするのですが結局要は“実力がない”ままなので仕事が続かなかったり決して良い結果にはなりません。

ここで大切な解決策は“想像力をつけること”です。

例えば他のスタッフに対してもその人の経験を尊重したり、「こう考えて判断したんだな」と思考や状況を読んだり、目の前の問題が起こる構造を考えたり。
同じ時期でも年上(30代中盤以上)ぐらいの少しデキる方ならこの考え方で状況を冷静に判断することができます。
ですがまだ経験の浅い20代などになると仕事の解像度というか、、、聞いたり見えたりしていること以外の“本当の事情”を想像する力が乏しいので、自分に都合の良い解釈でしか仕事の中身を判断できないのです。
他者への想像を働かせる力とその精度。力がつくと、単純に“みんな大変なんだな”ということが分かって、仕事の思いやりが出ます。

この“思いやり”がとても大事で、結果独りよがりじゃない、周りと協力した仕事ができるようになるのです。

っといっても、若いうちに“勘違い野郎期”を抜けるのは意外と難しくて、さらには永遠に抜けられない大人もたくさんいます。
誰か気づかせてくれる方がいるか、それともボキッと折れるような挫折を味わうか。
(かくいう僕も、振り返るとたくさんの周りの優しい方に支えられてきたんだなぁと感じます)
いつの間にかまた“勘違い野郎期”に入ってしまわないように僕も気をつけなければ。

長くなってしまいました。

とりあえず、人は難しいです。
まだまだ僕も“経営”という意味では“勘違い野郎期”かもしれません。
謙虚にがんばろ。

ではでは。
 

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