風俗の社窓から

風俗経営者にしやまのコラム・日記・雑記。お店のこと、今の業界のこと、風俗の未来のこと、色々考えてみてます。

頑固の話。という話。

僕はもともと頑固な方で、あまり自分の考えを曲げることがありません。
本当は柔軟で誰の意見でも良いものを判断できる人になりたいんですけどね。
この“頑固さ”についてはここ数年店を経営する上で、随分と考えさせられてきました。

特にお店のオープン時には柔軟性が求められます。
起業する人も、チェーンでお店を作る人も、大概必ずと行っていいほど“理想の会社(お店)”を作ろうとまず思います。
不思議なもので、この“理想の会社”って100%狙った通りにできないんですよね。会社であれば狙った事業がうまくいかなかったり、僕たちのような風俗店で言えばドヤ!と出したサービスに全然お客様が来なかったりします。

そんな時に大事なのが“周りの意見”です。何が悪いのか、どうすると良い方向に転がるのか、意外と周りの方、特に同じ仕事の先輩に当たる人はよく知っているものです。

で、アドバイスを受ける時に邪魔になってくるのが、過去の自分の経験も踏まえた“オレのやり方”。
過去自分が見てきた経験もあって「こうすれば俺の方がもっとうまくやれるんだ!」と思って努力しているものですから、素直に方向転換ができません。分かっていても行動できない、とか。それが足かせになって、ゲームオーバーの場合もあります。
何故か大体思っている“オレのやり方”ってあまり上手くいかなくて、結局アドバイス通りに落ち着いてしまったり、なんやかんやで自己流を捨ててアドバイスされたものをどんどん柔軟に試す方が正解まで早かったりします。

やはり長年の市場の中でつくられた“上手く行くやり方”はバカにできないものなのです。

同じようにキャストさんが稼ぐ為にも頑固さを捨てる必要があったりします。

人の口癖も不思議なもので、稼いでいる人の多くが「謙虚に、柔軟に、ラッキーでした」とこだわりを捨てる言葉をよく口にするのに対して、稼いでいない人は共通して必ず「自分のやり方はこうで〜」と自分流のやり方を口にして曲げません。

僕自身も頑固者の気質の方が強いので、自分が納得いってからじゃないと考えを変えることがあまりないのですが、周りの話を素直に聞く方が早く、頑固さがいかに損をするかということを体感してきました。

特に風俗は倫理感や、人との接し方の好き嫌いなど属人的な部分が多い業界なので、“オレ流”の考え方が出やすい環境です。
恐らく未経験から新人さんで入った人も、キャストさんも、スタッフさんも、自分なりに考えることが多い仕事だと思います。

周りの話を気にしすぎて振り回す(振り回される)のもあまりよくありませんが、頑固さも少し捨てて過去からの積み重ねをコツコツと素直に実行してみるのが、早く良い状態になる近道かと。

僕自身も気をつけなければ。

ではでは。
 

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若手スタッフ育成における“勘違い野郎”問題について。という話。

いつもいつも頭を悩ませているのは、良い方をいかに採用してスタッフとして育てるかです。特に悩むのは“若い人”(20代)の育成。
せっかく20代で風俗業界に飛び込んでくれたのなら、普通の同世代のサラリーマンよりも大きく金銭的な対価が得られたり、人間的にも成長できないと、働く意味がありません。
転職が容易な年代でもありますしね。中途半端ならちゃんとサラリーマンとして別な業種に転職したほうが良いとすら思います。

そんな若手スタッフの育成で絶対ぶち当たる問題があります。

“勘違い野郎期”問題。

少しデキる人なら誰しもがスタッフとして“勘違い野郎期”を通ります。
それはアウストラロピテクス北京原人を経て、現代のヒトになっていくように、未経験の状態から勘違い野郎期を経て店長となっていくのです(例えがイマイチ)。
で、特に人生経験が浅い若手には問題が起こりやすい時期です。

“勘違い野郎期”とは、少し一般業務がデキるようになってから、キャストさんから相談を受けるようになったり、店番を一人で任される機会が増えたりして“この店はオレがいないと回らないんだ。オレが回してるんだ!”と実力以上に自分を過大評価してしまい、勘違いする状態です。
お店の経営に責任感が出るのはとても良いことですし、勘違い野郎期が悪いわけでは決してありません。むしろ成長のためには必要です。
ですが、この勘違い野郎期が長引いてしまうと、思春期をこじらせて犯罪にはしってしまう大人のように、イタい人になってしまってその後の成長が見込めなくなります。

この時期が悪い方向に作用すると、他のスタッフの愚痴を聞かされた時に必要以上にスタッフ同士で不信感を抱いたり、上手くいっていないことを他の人のせいにして自分は関係ない・頑張っているという思考に陥ったりします。
で、他店に転職したり、他の仕事に移ったりするのですが結局要は“実力がない”ままなので仕事が続かなかったり決して良い結果にはなりません。

ここで大切な解決策は“想像力をつけること”です。

例えば他のスタッフに対してもその人の経験を尊重したり、「こう考えて判断したんだな」と思考や状況を読んだり、目の前の問題が起こる構造を考えたり。
同じ時期でも年上(30代中盤以上)ぐらいの少しデキる方ならこの考え方で状況を冷静に判断することができます。
ですがまだ経験の浅い20代などになると仕事の解像度というか、、、聞いたり見えたりしていること以外の“本当の事情”を想像する力が乏しいので、自分に都合の良い解釈でしか仕事の中身を判断できないのです。
他者への想像を働かせる力とその精度。力がつくと、単純に“みんな大変なんだな”ということが分かって、仕事の思いやりが出ます。

この“思いやり”がとても大事で、結果独りよがりじゃない、周りと協力した仕事ができるようになるのです。

っといっても、若いうちに“勘違い野郎期”を抜けるのは意外と難しくて、さらには永遠に抜けられない大人もたくさんいます。
誰か気づかせてくれる方がいるか、それともボキッと折れるような挫折を味わうか。
(かくいう僕も、振り返るとたくさんの周りの優しい方に支えられてきたんだなぁと感じます)
いつの間にかまた“勘違い野郎期”に入ってしまわないように僕も気をつけなければ。

長くなってしまいました。

とりあえず、人は難しいです。
まだまだ僕も“経営”という意味では“勘違い野郎期”かもしれません。
謙虚にがんばろ。

ではでは。
 

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“健全化”したいならマナー広告やったら?という話。

風俗広告サイトの足りない点について度々考えたりするんですが、今回はキャンペーンの話です。

最近よく“業界に影響を与えている風”なキャンペーンとして「性感染症予防に努めている店特集」などがあったりするのですが、今なぜかやっていない「風俗利用マナーの啓発キャンペーン」はもっと多メディアで展開するべきだと思っています。

むしろ展開するべきというか、やってないし。
なんでこれやってないのか不思議なんですよね。電車の車内マナー広告みたいなものが良いと思うのですが。

風俗業界に対して近年まことしやかによく言われる“健全化”なんですが、これには今決定的に足りない部分があると思います。
それは、“お客様が料金とプレイの範囲でマナーを守る”ということです。

もちろん、とても良いお客様も多いことは分かっています。
ただ、逆にいうと“ルール違反が普通”と思っている方も多すぎます。

今でいう“健全化”はざっくり言うと「ぼったくりじゃない」「性病検査している」みたいな、お客様からみて“怖いところじゃないよ〜”とアピールしているものばかりです。
それはそれで良いのですが、風俗の“健全化”には実はもう一方大事なことがありまして、“お客様のマナーを改善すること”も必要です。

一昔前まで“ブラックな業界”だった名残か、まだまだ“何でもできる”と思っているお客様や、強引な“あわよくば”でキャストさんを傷つける方は多いです。
そうするといくら企業努力をしていっても、優しさアピールをしたことが悪いお客様に揚げ足を取られているようで、極論バカバカしくなってしまうんですよね。

だから“健全化”は両面から。

いつもの話ですが、「お客様」「キャスト」「お店」の3者間のバランスを保つことが大事だと思います。

こういう話を、広告メディアの方が先導してやっていただけると、新しい価値が生まれるんじゃないかな〜と思っているんですが、どうでしょう。

ではでは。
 

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