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風俗の社窓から

赤坂の風俗店長にしやまのコラム・日記・雑記。お店のこと、今の業界のこと、風俗の未来のこと、色々考えてみてます。

風俗の仕事で幸せになれる人は?風俗はセーフティーネットになれない。という話。

よく「誰のために仕事をしてるんだろうな」と考えることがあります。 もちろん自分のためは決まっているのですが、もう少し言い方を変えると「僕の仕事は誰のためになっているんだろうな」という感じです。
お客様のためといえば100%そうは言い切れないし、よく風俗店は性犯罪を減らしているなんて言われますが、本当にそうなのかもよく分かりません。

そんな中でもし風俗店が明らかに誰かのためになっていることは「お金を稼ぐための仕事を生み出している」ことです。お店は雇用を生んでいますし、そしてキャストさんには自分で売春してしまうようなリスクを無くし、守られた環境でのお金を稼ぐ仕事をつくりだしています。

基本的に身体ひとつでできるサービス業なので、よく社会福祉系の文脈からは「風俗はセーフティネットになり得るのか」みたいな話が聞かれることもしばしばあります。僕個人としては風俗業自体ではなく、人が働く環境や仕組みであったりとか、一人の人がどんな人生を送っていくのかということに強い興味を持っている方で、できるだけその人の人生に辛いことや生活苦などの障害は無くしたいと思うので、本当にセーフティネットだったら良いのにと思うことがあります。

ですが残念ながら風俗はセーフティネットにはなれません。理由は簡単で、「誰にでもできる仕事では無い」からです。もっと正確に言えば「誰でも稼げる仕事では無い」です。先程の身体ひとつで仕事できるとは別の話で、お店はビジネスでありサービス業なので、入店の際は面接がありますし、結局サービスの質を上げる努力を本人ができなければ、一切稼ぐことはできません。しかも近年、サービス価格のデフレ化などで「だったら本当は別の仕事をした方がよっぽど稼げる」みたいな状況は多々あるんですね。

それでも、人間関係の不得意さや身体の理由、時間がうまく自己コントロールできないなどでこの業界じゃないと働けない人達もいるわけです。
正直その状況を目の当たりにしたときになんとも言えないもどかしさと、「じゃあ風俗業界は結局何ができるんだろう?」みたいな疑問が出てくるんです。

もちろんこの疑問にまだ僕なりの答えはありません。極論、風俗はあくまで“娯楽”ということで、セーフティネットとしてはベーシックインカム制度なりなんなり、どんな人でも最低限度の生活ができるような簡単な仕組みがあったらいいのに、と思うこともあります。

大昔(江戸時代ぐらい)は風俗業もセーフティネットの意味があったかもしれません。まぁ、その時にも格差はあったとは思いますが。それでも今の風俗業界が誰を幸せにしていくものなのか。これからどうなっていくのか。

せめてうちのお店で働く人、近くの人だけでも幸せにできたらいいのに。
まだまだ答えはわからないままです。

ではでは。