風俗の社窓から

風俗経営者にしやまのコラム・日記・雑記。お店のこと、今の業界のこと、風俗の未来のこと、色々考えてみてます。

風俗仕事の「誇り」に関する一考察。という話。

風俗のお仕事に対して「誇り」を持つとは何なのか。
少し考えてみました。駄文です。

そもそもきっかけは最近の業界の風潮の一つに、「自分の仕事に“誇り”があるなら、顔も出して、周りの人にも理解を得て、世間にも“私やってます!”としっかり言って。。。」という向きがあることが気になったことです。
キャストさん、スタッフさんどの場合に対してもの話ですね。

僕はこの意見には賛同できなくて、別に顔出さなくたっていいじゃんと思っています。
誤解しないで欲しいのが、顔出しがダメとか言っているわけではなくて、顔を出してしっかりご自身の活動をアピールされている方は“すごい”と思っているし、尊敬しています。

ただ、それを“誇り”と取るかは別問題だと。
例えば仮に世の中が風俗のような仕事に偏見が一切なく、特にキャストさんにとって“風俗で働いている”という話をプライベートで持ち出しても何の痛手にもならないのなら別ですが、今の世の中、どう贔屓目に見てもそんなんじゃないですよね。

だからこそ、その偏見や痛みを受ける覚悟で顔出し活動されている方はすごいと思うし、力強いと思うのですが、それを尊大に言う必要は無いと思うのです。

風俗業界の歴史の中で経営者もメディアも、「顔出し」できる方を求めすぎであるという気がします。風俗メディアの中には、「顔出しさせるのも経営努力」みたいなスタンスもあります。これは少し暴力的な見方でしょう。

僕自身、結構真剣にこの仕事に臨んでいるつもりはありますが、実は正直まだ実の母にはこの仕事の話をしたことがありません。隠しています。
恐らく、このまま機会なければ一生言うことは無いでしょう。
“誇り”が足りないんですかね(笑)?
たまに求人だけは顔出ししたりしますが、基本似顔絵ですしね。
(ちなみに余談ですが、似顔絵で現実の顔バレしたことあります笑)

話が逸れましたが、では“誇り”とは何なのか。
これは僕が思うに、自分が言うことではなくて、「しっかりサービスをすること(もちろんルール内で)」であり、「真面目に仕事に向き合うこと(不正、怠惰にならないこと)」であると思います。

僕が思い出に残っているキャストさんの一人に、自分で抱えていた借金が少しあってこの業界に入り、最終的には借金を返し、貯金を200万円作り、就職し、現在は連絡はくれるけれど一切風俗業には関わっていない方がいます。
周りには一切言わず、むしろ身内バレとか顔出しとか誰よりも怖がっていたけれど、遅刻も予約飛ばしもなく誰よりも頑張っていました。
正直、決してお客様のことが大好きだったわけでは無いけれど、誰よりもリピーターが多く、たくさんのお客様に幸せを分けていました。
僕が“関われてよかったなぁ”と思う自慢のひとりです。

この状態は“誇り持っている状態”では無いのでしょうか。

もう一つ加えると、僕が専門的に学んでいた経営工学の分野に、この話題の“誇り”と似たような言葉で“モチベーション”というものがあります。

よく“モチベーションが高い”とか言いますが、経営工学におけるモチベーションとは、気持ちではなく「行動」なんです。

要は「モチベーションが高いです!」と言葉で言いながら全然仕事が進まない人と、「辛いです。やる気ないです」と言いながら着実に仕事を進めている人だと、後者の方がモチベーションが高いと判断するんですね。
よく考えると当たり前の話なんですが。

これと同じで、風俗の仕事でも気持ちや言動の有無に関わらず、しっかり仕事して信頼を得て、収入を得たりステップアップをしている人の方が「誇りを持っている」と感じます。
これ、別に顔出しも気持ちも何も本質的には関係ないですよね。

つまり「誇り」とは主張のことではなく「行動」のことなのかもしれません。

だから、何を言ってたっていいんです。
別に必須じゃないじゃん顔出し。
もっと色んな方の事情を踏まえた、優しい、いい業界ができたらいいんじゃないかなと思います。業界への周囲の理解は深めたいですね。

そんなこんなで、「誇りある状態」をアピールしてみたくて、今日もブログ更新してみましたよ。

ではでは。

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