風俗の社窓から

風俗経営者にしやまのコラム・日記・雑記。お店のこと、今の業界のこと、風俗の未来のこと、色々考えてみてます。

幸が不幸で不幸が幸で。という話。

芸に生きる人たちのマンガや小説が好きです。
漫才師や、 噺家、役者、バンドものなど、いろんなマンガがあると思いますが、どの話も自分の胸が打たれるものが多いなと感じます。

たぶん登場人物たちが、才能の壁にぶつかること、人生にぶつかることが多く、誰しもが“唯一の存在”になりたくて、必死で頑張っているからなのかもしれません。

久しぶりに『ましろのおと』の続きを読みました。

8巻までは高校生編ということで、部活ものに近い話だったのですが、この9巻から(現在15巻まで出てるかな?)プロ編。
三味線のサラブレッドとして才能ある、世間知らずの主人公が、名と腕を上げるために、そして伝説と言われた祖父の音に近づくために、 奮闘するストーリーです。

主人公が民謡居酒屋で研鑽を積む様子も見どころなのですが、
今回は悩む主人公が誘われて行った落語会での噺家さんの一言に胸を刺されました。

「芸の道、面白いわね。面白いけど難しい。幸が不幸で不幸が幸で」

この一言。
芸の道は不幸が肥やしになり、幸せな状態では何も気づけない。という意味を含んだ言葉なのかなと思います。

少し意味を曲解しますが、たまに思うことがあります。

うちのお店で稼げることは、キャストさんにとって幸せなのかと。

この業界で稼ぐことに慣れたために、普通の仕事ができなくなる女の子がいます。
キャストさんに不幸が起こる(お金が足りなくなる、働かなくてはいけない理由が生まれると)出勤が増えてお店が潤います。

芸の道の話とは全く違う話ですが、この字面を見た時に、ふと自分の業界の事が思い返されたんです。

関わる人の不幸が利になり、利が不幸を呼ばないように。

入ってくる理由は何でも構いません。

ただ、幸が幸を呼ぶ、素直に喜べる。

そんな環境をつくっていきたいものです。 


ちなみに、ましろのおと、全く別のシーンであまりに純粋な葛藤に、久しぶりに涙が出ました。
最近高校生が頑張る話とか、弱いんだよな。

ではでは。